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ごあいさつ

私たち人間のこころとからだの成長は,
身近に居る特別な他者との関係性の中で育まれていくものです(関係発達)。
けれどもどれだけ大切に想う相手との関係性であったとしても,
いつでも心地良い時間で居られるわけではなく,むしろ大切な相手だからこそ,
心配になったり,腹立たしかったり,悲しかったり…と,感情は揺れ動くものではないでしょうか。
関係性にゴールはなく,完璧な関係というものも存在しませんが,
お互いにとってより温かく,ホッとできるような関係性を目指して共に試行錯誤しようとする際,
“発達心理学”や“臨床心理学”の視点や知識がそっと背中を支えられることを願っています。

研究室紹介

 本研究室では,関係性の中で子どもは育つという“関係発達”の視点や,関係性の不和の蓄積によって発達の機会が失われたり,こころとからだの発達に歪みが生じるという“関係障碍”という視点から,子どもや保護者,子どもを支える様々な支援者,かつて子どもであった/あれなかった大人たちへの支援実践と研究を行っています。
 発達障碍,愛着(アタッチメント)の問題,自分自身や他者の思いを理解する力(メンタライゼーション)の低下や歪み,虐待やDV,様々な精神疾患など,関係性を取り巻く困難さは数多くあり,それらは複雑に絡み合うものです。そうした困難さは,生まれつき遺伝子や脳神経的な要因によって生じたものが大きく影響していますが,同時に,様々な困難さを抱えながらも,自分や自分にとって大切な誰かを守るために試行錯誤する中で学び取った感じ方・考え方の癖という視点からも理解することもできます。それは確かにやっかいなものではありますが,その人の人生における努力の結晶として,その人の中にある大切な一部分であるとも言えます。そのため,そうした部分を否定するのではなく,そうした部分も大切に受け止めながら,“この人と私なら一緒に生きていける”と感じられるよう,新しい努力の仕方を一緒に考えていく手助けができればと願いながら,プレイセラピー,心理発達相談,子育て相談,支援者支援,保育園や放課後等デイサービスなどへの巡回相談などを行っています。

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